今月の事務所便りより

「公益通報ハンドブック 改正法(令和8年12月施行)準拠版」が消費者庁より公表されています!

本ハンドブックは公益通報者保護法の内容をわかりやすくまとめたもので、本年12月1日から施行される改正法に準拠した内容となっています。施行に備えて目を通しておきましょう。

◆公益通報者保護法とは?
公益通報者保護法は、公益のために勤務先の法令違反を通報した労働者の保護や事業者の体制整備に関する規定が定められた法律です。

◆改正内容(令和7年6月改正・令和8年12月施行)
①体制整備の徹底と実効性の向上(勧告に従わない場合の命令権、命令違反時の刑事罰の新設等)、②公益通報者の範囲拡大(フリーランスおよびフリーランスであった者を追加)、③通報妨害や通報者探索行為の禁止(正当な理由なく公益通報を妨げる行為を禁止し、これに違反してされた合意等の法律行為を無効とする等)、④通報を理由とする不利益取扱いの抑止・救済(通報後1年以内の解雇または懲戒は公益通報を理由としてされたものと推定する規定、通報を理由に解雇や懲戒処分を行った行為者および企業に対する刑事罰の新設など)

◆事業主の義務(常時使用労働者数300人以下の事業主は努力義務)

① 従事者指定義務
通報の受付け、調査等に従事する者の指定が義務付けられています。従事者には、通報者の氏名等に関する守秘義務(罰則あり)が課せられます。

② 体制整備、周知等義務
内部公益通報窓口の設置や内部規程の策定、不利益取扱いや通報妨害・通報者探索の防止等公益通報に適切に対応するための体制整備、労働者等に対する周知等が義務付けられています。

【参考】
消費者庁ホームページ
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_partnerships/whisleblower_protection_system/overview/#r7_amendment

政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/article/202402/entry-5717.html#secondSection

 

(事務所便りR8.8月号より抜粋)

今月の事務所便りより

外国人労働者の職場定着に活用したい「人材確保等支援助成金 外国人労働者就労環境整備助成コース」

 

◆支給額
雇用保険の被保険者となる外国人を雇用し、以下の措置を導入するごとに20万円(上限80万円)

 

◆就業環境整備措置
期間(3カ月以上1年以内)を定めて計画を作成、労働局へ提出し、認定を受けた後に下記の措置(必須メニューに加え、選択メニュー①~③のいずれか)を実施して、支給申請を行います。

 

【必須メニュー】
・雇用労務責任者の選任…事業所ごとに選任し、外国人労働者への周知と1回以上の面談を実施する。
・就業規則等の多言語化…就業規則、労働協約、労働条件通知書、雇用契約書のいずれかを多言語化し、外国人労働者に周知する。

 

【選択メニュー】
①苦情・相談体制の整備…外国人労働者の母国語または使用するその他の言語により苦情・相談に応じる体制を新たに定める。
②一時帰国のための休暇制度…希望した場合に必要な有給休暇を取得できる制度を新たに定め、1年間に1回以上、連続5日以上の有給休暇を取得させる。
③社内マニュアル・標識類等の多言語化…社内マニュアル等を新たに多言語化し、外国人労働者に周知する。

その他、外国人雇用状況届出を適正に届け出ていることや、外国人労働者離職率が15%以下であることなどの要件があります。
厚生労働省ホームページでは、外国人労働者の雇用管理や労務管理に使える各種資料、モデル就業規則やさしい日本語版等が紹介されているので、参考にするとよいでしょう。

 

【参考】
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)リーフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/001682049.pdf

 

外国人労働者の人事・労務に関する支援ツール
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/tagengoyougosyu.html#%E7%94%A8%E8%AA%9E%E9%9B%86

 

(事務所便りR8.7月号より抜粋)

今月の事務所便りより

人事部門のAI活用~経団連「HR部門におけるAI等の活用に関する報告書」より

 

◆人事部門でも進むAIの活用

現在、AIの普及が急速に進んでいます。企業においても、従業員が業務上AIを利用する場面が増えているでしょう。

この動きは、企業の人事部門(①採用、②人材配置、③人材育成、④労務管理)においても例外ではありません。大企業を中心とした例になりますが、日本経済団体連合会(経団連)より、HR部門においてAI等を活用している企業やシステム開発事業者へのヒアリングを実施(回答企業75社)した報告書が公表されています。

 

◆どのような場面で使われているのか

同報告書によれば、HR部門での活用状況をみると、「採用」(25社)が一番多く、その具体的内容としては「応募者スクリーニング」(15社)を挙げる企業が多くなっています。次いで多い「労務管理」(22社)の具体的内容では「労務相談の一次対応」(19社)が多く、さらに「人材育成」(20社)では、「面談サポート」(14社)が多い結果となっています。

 

◆企業によるガバナンス体制の構築が必要

同報告書ではHR部門におけるAI等の活用の大前提として、「HR部門でのAI活用はあくまで人間の意思決定のサポート機能として活用することが肝要」とされ、求められる対応として、「適切に対応するためのガバナンス体制の構築が必要」とされています。

労働力不足の中、今後一層、業務におけるAI利用が進むと予想されます。様々なリスクに対応するためにも、企業が主導しての社内AI利用体制の整備が必要になってくるでしょう。

 

【参考】

日本経済団体連合会「HR部門におけるAI等の活用に関する報告書

https://www.keidanren.or.jp/policy/2026/016.htm

 

(事務所便りR8.6月号より抜粋)

今月の事務所便りより

業種別カスタマーハラスメント対策企業

マニュアル「宅配業編」が公表されました

 

◆カスタマーハラスメント対策の動向

令和7年6月に労働施策総合推進法が改正され、令和8年10月1日から事業主にいわゆるカスタマーハラスメント(以下、「カスハラ」という)を防止するための措置が義務付けられます。各省庁で対策マニュアルやガイドライン等の策定が進められており、3月27日、厚生労働省より宅配業向けのマニュアルが公表されました。

 

◆内容

本マニュアルにおいて「宅配業」とは、他人の荷物を有償で個人宅や企業に配達する事業および関連業務(営業所における荷物の受取り等)をいい、以下の内容が収録されています。

・カスハラ対策に取り組む意義

・カスハラの定義・判断基準

・宅配業における実態(発生状況、対応状況)

・宅配業界におけるカスハラに対する共通方針(対応方法)

・具体的対策(事業主の方針、相談対応体制の整備、事後の迅速・適切な対応、抑止のための措置 等)

 

宅配業におけるカスハラ問題

宅配業においては、調査結果から、一人で顧客宅を訪問するという業務特性上、顧客との間でトラブルが発生した場合に上司に対応を代わってもらうことが難しかったり、カスハラが発生しても相談や報告がすぐにはできず一人で抱え込んでしまったりする傾向があることが明らかとなっています。

また、従事者の約4割が、カスハラの判断基準がわからない、対応することでさらなるトラブルにつながるおそれがあると考えており、現場での対応に苦慮しています。

 

本マニュアルを活用して、対策を進めましょう。

 

【参考】

業種別カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(宅配業編)

https://www.mhlw.go.jp/content/11910000/001680542.pdf

 

(事務所便りR8.5月号より抜粋)

今月の事務所便りより

飲食店向けカスタマーハラスメント対策ガイドライン」が策定されました(農林水産省)

 

◆カスタマーハラスメント対策の動向

近年、顧客や取引先からの不当・悪質なクレーム、いわゆるカスタマーハラスメント(以下、「カスハラ」という)が社会的な問題となっていることを受け、労働施策総合推進法が改正され、令和8年10月からは、事業主にカスハラ防止措置を講じることが義務付けられます。

関係省庁連携会議が設置されるとともに、対策マニュアルやガイドライン等も公表されており、『カスタマーハラスメント対策企業マニュアル』(令和4年:厚生労働省)、『業種別カスタマーハラスメント対策企業マニュアルスーパーマーケット業編』(令和7年3月:厚生労働省)などがあります。

そして令和8年2月、農林水産省より「飲食店向けガイドライン」が公表されました。

 

◆本ガイドラインの概要

本ガイドラインでは、以下の内容がまとめられています。

・経営者や店長・責任者の役割と対応

・カスハラの判断基準

・カスハラの予防策

・お客様の尊重

・カスハラ対応の実践ヒント集

・飲食店の取組事例

飲食店従事者や経営者向けの内容を網羅した「詳細版」と、現場ですぐに活用できるよう要点をまとめた「ダイジェスト版」の2種類があります。

あわせて、本ガイドラインにおけるカスハラの7つの類型(暴力、侮蔑・暴言、恐怖・威圧、無関係・不当要求、長時間化、繰り返し、コミュニケーション不成立(非協力))ごとに、対応例の動画も作成されています。

研修資料としても活用できるため、自社の体制づくりの参考にするとよいでしょう。

 

【参考】

飲食店向けカスタマーハラスメント対策ガイドラインを策定しました

https://www.maff.go.jp/j/press/shokuhin/gaisyoku/260227.html

 

(事務所便りR8.4月より抜粋)

今月の事務所便りより

「女性特有の健康課題に関する問診を活用した女性の健康管理支援実施マニュアル~事業者向け~」が公表されました

 

 ◆マニュアルのねらい

女性の就業率の増加に伴って、女性の健康課題への対応の重要性が高まっています。厚生労働省の検討会が令和7年12月24日にとりまとめた報告書では、定期健康診断の一般健康診断問診票に女性特有の健康課題に関する質問項目を追加すべきとされるとともに、個々の労働者と事業者を繋ぐ観点から、望ましい対応をマニュアル等に示すこととされました。

本マニュアルは、これを受け、事業者が女性特有の健康課題で困難を抱える女性労働者にどのような対応をすればよいか、望ましい職場環境改善の取組みや参考情報をとりまとめたものです。

 

◆内容・目次

・女性特有の健康課題(月経困難症、過多月経症、更年期障害など)の基本情報

・取組みにあたっての手順や留意事項、安衛法上の位置付け、個人情報の保護など

・準備(管理職・社員研修、相談窓口の設置、休暇・勤務制度の見直し・整備など)

・専門医を受診した労働者からの相談対応

・職場環境の改善(具体的な業務上の配慮、支援の実施)

・Q&A(制度の目的と企業の役割、従業員への対応と環境整備など)

・参考資料:労働者や事業者が利用できる支援制度・機関の紹介

 

◆マニュアルの活用

女性の健康課題に配慮した職場づくりを推進する一定規模以上の企業では、労働者への説明を前提に、健診機関から情報を取得し、職場環境改善に活用するなどが考えられます。

本マニュアルを活用し、女性従業員が働きやすい職場環境を整備し、人材定着をはじめ、従業員満足度やパフォーマンスの向上を目指しましょう。

 

【参考】

女性特有の健康課題に関する問診を活用した女性健康管理支援実地マニュアル~事業者向け~

https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001634193.pdf

 

労働安全衛生法に基づく一般健康診断の検査項目等に関する検討会

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36255.html

 

(事務所便りR8.3月号より抜粋)

今月の事務所便りより

高年齢者の労働災害防止のための
指針案について

 

高年齢労働者の労働災害防止対策に関する検討会で「高年齢者の労働災害防止のための指針」の案が示されました。指針は、令和8年2月に公示され、令和8年4月1日より適用される予定となっています。

◆「高年齢者の労働災害防止のための指針」とは
この指針は、高年齢者の特性に配慮した作業環境の改善、作業の管理等、高年齢者の労働災害の防止を図るために事業者が講ずるよう努めなければならない措置に関し、その適切かつ有効な実施を図るためのものです。

◆事業主が講ずべき措置
以下の1~5に掲げる事項について、各事業場における高年齢者の就労状況や業務の内容等の実情に応じて、国、関係団体等による支援も活用して、実施可能な対策に積極的に取り組むことが必要とされます。
1 安全衛生管理体制の確立等
① 経営トップによる方針表明及び体制整備
② 高年齢者の労働災害防止のためのリスクアセスメントの実施
2 職場環境の改善
① 身体機能の低下を補う設備・装置の導入
② 高年齢者の特性を考慮した作業管理
3 高年齢者の健康や体力の状況の把握
① 健康状況の把握
② 体力の状況の把握
③ 健康や体力の状況に関する情報の取扱い
4 高年齢者の健康や体力の状況に応じた対応
① 個々の高年齢者の健康や体力の状況を踏まえた措置
② 高年齢者の状況に応じた業務の提供
③ 心身両面にわたる健康保持増進措置
5 安全衛生教育
① 高年齢者に対する教育
② 管理監督者等に対する教育

◆労働者と協力して取り組む事項
事業者は、高年齢者の特性に配慮した作業環境の改善、作業の管理その他の必要な措置を講ずるよう努める必要があり、個々の労働者は、自らの身体機能等の低下が労働災害リスクにつながり得ることを理解し、労使の協力の下で取組みを進めること。

高年齢者に安心して活躍してもらえるよう、公示された指針をもとに、必要な措置を講じていきましょう。

【高年齢労働者の労働災害防止対策に関する検討会】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_62749.html

 

(事務所便りR8.2月号より抜粋)

年末年始休業のお知らせ

平素は格別のお引き立てをいただき厚くお礼申し上げます。

 

誠に勝手ながら、弊所では下記の日程につきまして年末年始休業とさせていただきます。

 

(年末年始休業期間)

令和7年12月27日(土) ~ 令和8年1月4日(日)

 

期間中はご不便をお掛け致しますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

今月の事務所便りより

失業保険の申請サポートをめぐる
トラブルに注意~国民生活センター・
東京労働局が注意喚起

国民生活センターは、「失業保険の受給額や受給期間が増える」とうたう申請サポートに関する相談が増えているとして、注意を呼びかけました。東京労働局も同様に、「失業保険の金額・期間を増やせる」と宣伝する業者に関するトラブルへの注意喚起を発信しています。失業保険は、ハローワーク(公共職業安定所)での申請と審査に基づき支給される公的支援制度であり、外部事業者が給付内容を増やせるものではありません。

◆過度な宣伝と解約をめぐるトラブルが多発
全国の消費生活センターには、「サポートを依頼すれば受給額が増えると思ったが実際には増えなかった」「途中で解約を申し出たところ高額な違約金を請求された」といった相談が寄せられています。申請サポート契約の中には、広告や勧誘の段階で過度な期待を持たせる表現が使われているケースもあり、契約内容の理解不足によるトラブルが増えています。契約前に、サービス内容と費用、解約条件が妥当かどうかを慎重に確認することが重要です。

◆不正受給を促す悪質な事例も
さらに深刻なのは、不正受給を促すかのような誘導が見られる点です。実際にはメンタル不調がないにもかかわらず「うつ病と診断されるためのマニュアル」が送られてくるなど、虚偽の申請を促すケースが報告されています。不正受給が行われた場合、受給者本人が返還・納付を命じられるほか、詐欺罪などの刑事罰の対象となる可能性があります。事実と異なる申告を求められた場合は、絶対に応じてはいけません。
失業保険は再就職を支援する大切な制度です。事業者との契約に不安を感じた場合やトラブルが生じた場合は、すぐに最寄りの消費生活センター等へ相談しましょう。

【国民生活センター「失業保険の給付額等を増やすことができるとうたう申請サポートに注意 ─不正受給を促すかのようなケースも!─」】
https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20251203_1.pdf

【東京労働局「「失業保険の金額・期間を増やせる」とうたう申請サポートにご注意ください。」】
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/newpage_01662.html

 

(事務所便りR8.1月号より抜粋)

今月の事務所便りより

マイカー通勤手当の非課税限度額が

令和7年分年末調整から引上げに?

 

◆令和7年分年末調整における改正事項

今年の年末調整について、国税庁ホームページでは、(1)「基礎控除」や「給与所得控除」の見直し、(2)「扶養親族等の所得要件」の改正、(3)「特定親族特別控除」の創設、が行われているとして、情報を提供しています。また、「通勤手当に係る非課税限度額の改正が行われる場合には、年末調整での対応が必要となることがあります」とあります。社会保険料の算定基礎にも影響する可能性がありますので、最新情報を確認しておきましょう。

 

◆政府が方針を決定

11月12日、政府が非課税限度額を引き上げる方針を固めたと報じられました。10㎞以上15㎞未満の場合に月額7,100円までから7,300円に、55㎞以上の場合に月額31,600円までから38,700円までに引き上げるとされています。

 

◆ベースは人事院勧告

国税庁ホームページによれば、改正は人事院勧告(令和7年8月7日)を受けたもので、勧告本文では、「民間の支給状況等を踏まえ、200円から7,100円までの幅で引上げ改定を行い、令和7年4月に遡及して実施する」とされています。なお、この実施は11月11日に閣議決定されています。

 

◆令和8年4月以降のさらなる改正も検討

令和8年4月以降のさらなる改正について、税制改正の議論を踏まえて決める方針とも報じられています。

人事院勧告には、「令和8年4月から、上限を『100㎞以上』とし、『60㎞以上』の部分について5㎞刻みで新たな距離区分を設ける」、「1か月当たり5,000円を上限とする駐車場等の利用に対する通勤手当を令和8年4月から新設する」とあります。

 

【国税庁「年末調整がよくわかるページ(令和7年分)」】

https://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/index.htm

 

(事務所便りR7.12月号より抜粋)

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