今月の事務所便りより

高齢者の人口・就業者数が過去最高に~総務省統計より

 

総務省は、「敬老の日」(9月19日)にちなんで、我が国の65歳以上の高齢者(以下、「高齢者」という)の人口、就業について取りまとめました。

75歳以上の人口が初めて15%超に

統計結果によると、高齢者の人口(2022年9月15日現在推計)は3,627万人(前年比6万人増)で過去最多に、総人口に占める割合は29.1%(前年比0.3ポイント増)で過去最高となっています。また、75歳以上の人口は1,937万人(前年比72万人増)となり、総人口に占める割合は15.5%と、初めて15%を超えました。これは、いわゆる「団塊の世代」(1947年~1949年生まれ)が2022年から75歳を迎え始めたことによると考えられます。

◆非正規の高齢就業者が増加

2021年の総務省の労働力調査によると、高齢者の就業者(以下、「高齢就業者」という)数は909万人(前年比6万人増)で、18年連続で過去最多となっています。

また、高齢者の就業率(65歳以上の人口に占める就業者の割合)は25.1%(前年と同率)となっています。年齢階級別では、65~69歳の就業率は、10年連続で上昇し50.3%(前年比0.7ポイント増)で初めて50%を超え、70歳以上の就業率は、5年連続で上昇し18.1%となっています。

高齢就業者を従業上の地位別にみると、役員を除く雇用者が517万人(57.6%)で最も多くなっています。さらにこれを雇用形態別にみると、非正規の職員・従業員が393万人(75.9%)となっています。なお、非正規の職員・従業員は、2011年の168万人から2021年では393万人と、10年間で225万人増加しています。

◆世界的にも就業率は高水準

国際的にみると、日本の高齢者人口の割合(29.1%)は世界で最も高く、次いでイタリア(24.1%)、フィンランド(23.3%)、プエルトリコ(22.9%)などとなっています。また、主要国における高齢者の就業率についても、日本(21.5%)は韓国(34.9%)に次いで高い水準となっています。

高齢就業者は今後も増加することが予想されます。企業は国の政策や支援制度を活用して、いっそう高齢者の雇用対策に取り組む必要がありそうです。

【総務省統計局「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」】

https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1320.html

(事務所便りR4.11月号より抜粋)

今月の事務所便りより

「業務改善助成金」が令和4年9月1日

より拡充されています

 

 ◆業務改善助成金とは

業務改善助成金には、通常コースと特例コースがあり、通常コースは、中小企業・小規模事業者が、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げ、生産性を向上するため設備投資を行った場合、それに要した費用の一部が助成されます。

特例コースは、新型コロナウイルス感染症の影響により売上高等が30%以上減少した中小企業事業者等が支援を受けられます。

令和4年9月1日より、適用対象の拡大や要件緩和がされています。

◆拡充のポイント

<通常コース>

◎特例の対象事業者および対象経費の拡充

(a) 「原材料費の高騰など社会的・経済的環境の変化等外的要因により利益率が前年同月に比べ3%ポイント以上低下した事業者」を、特例の対象事業者に追加

(b) 特例の対象事業者となる「新型コロナウイルス感染症の影響により売上高等が減少している事業者」の売上減少幅を、30%から「15%」に要件緩和。あわせて、売上高の比較対象期間を2年前まで→3年前までに変更

(c) (a)または(b)のいずれかを満たす事業者は賃金引き上げ労働者数10人以上の助成上限額区分を利用可能

(d) 特例で助成対象経費となる自動車の要件を「定員11人以上」から「定員7人以上又は車両本体価格200万円以下」に緩和

◎助成率の引き上げ

(a) 事業場内最低賃金が870円未満の事業場:9/10

(b) 事業場内最低賃金が870円以上920円未満の事業場

:4/5(生産性要件を満たした事業者は9/10)

(c) 事業場内最低賃金が920円以上の事業場

:3/4(生産性要件を満たした事業者は4/5)

 

<特例コース>

◎申請期限・賃上げ対象期間の延長

・申請期限:[令和4年7月29日まで]を、[令和5年1月31日まで]に延長

・賃上げ対象期間:令和3年7月16日から[令和3年12月31日まで]を、[令和4年12月31日まで]に延長

◎対象となる事業者の拡大

・「原材料費の高騰など社会的・経済的環境変化等外的要因により利益率が前年同月に比べ5%ポイント以上低下した事業者」を助成対象事業者に追加

・「新型コロナウイルス感染症の影響により売上高等が30%以上減少した事業者」の売上高等の比較対象期間を、令和3年4月から[令和3年12月まで]を[令和4年12月まで]に見直し。併せて、売上高の比較対象期間を2年前まで→3年前までに変更

◎助成対象経費の拡大

・助成対象経費となる自動車の要件を「定員11人以上」から「定員7人以上又は車両本体価格200万円以下」に緩和

◎助成率の引き上げ

・【一律3/4】を、事業場内最低賃金額が920円未満の事業者は【4/5】に引き上げ

【厚生労働省「業務改善助成金(通常コース)のご案内」】

https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/000982150.pdf

【厚生労働省「業務改善助成金(特例コース)のご案内」】

https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/000982151.pdf

 

(事務所便りR4.10月号より抜粋)

今月の事務所便りより

職場における転倒防止・腰痛予防対策について~厚生労働省の検討会中間整理案より

◆検討会開催の目的

厚生労働省において、転倒防止・腰痛予防対策の在り方に関する検討会が開催されています。近年、特に小売業や介護施設等を中心に「転倒」や「腰痛」による労働災害が大きく増加しているものの、従来型の災害と同様の対策では十分な成果を上げることができていない状況にあることから、転倒防止・腰痛予防対策の在り方および具体的な対策の方針等について検討しているものです。

つまり、転倒防止・腰痛防止に効果的な取組みの推進に必要な制度等を見直し、新たな切り口による取組みを進めていこうというもので、会社としても注目していきたいところです。

今後、職場における対策の実施体制の強化などの論点も加えて、中間整理がまとめられる予定ですが、7月29日に第3回目の検討会が開催され、次のような中間整理案が示されています。

◆中間整理案の骨子

○安全衛生教育の在り方など

・労働者への雇入時教育等の安全衛生教育やその責任者への教育については、業界の実態も踏まえ、一定時間の座学等の既存の手法にとらわれず、アプリ等も活用した効率的・効果的な実施方法を提示していくべき。

・取組みが進むよう、ナッジの活用等行動経済学の観点からの研究を進め、手法として取り込んでいくべき など

○労働者の健康づくり等

・事業場において理学療法士等も活用して労働者の身体機能の維持改善を図ることは有用であり、国はそのための支援体制を拡充するべき。

・骨密度、「ロコモ度」、視力等の転倒(・腰痛)災害の発生に影響する身体的要因のスクリーニング(リスクを自覚させること)も必要(前提として労働者の不利益取り扱いに繋がらないような仕組みが必要) など

○中小企業等事業者への支援

・労働力のさらなる高齢化を見据え、身体機能の低下を補う設備・装置の導入等について、中小企業等事業者を国が引き続き支援していく必要がある。

【厚生労働省「転倒防止・腰痛予防対策の在り方に関する検討会 第3回資料」】

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27149.html

 

(事務所便りR4.9月号より抜粋)

夏季休業のお知らせ

平素は格別のお引き立てをいただき厚くお礼申し上げます。

 

誠に勝手ながら、弊所では下記の期間を夏季休業とさせて頂きます。

 

(夏季休業期間)

令和4年8月12日(金) ~ 8月16日(火)

 

夏季休業中はご不便をお掛け致しますが、何卒ご寛容くださいます様お願い申し上げます。

 

今月の事務所便りより

新型コロナに係る傷病手当金の支給に

関するQ&Aが改訂されています

 

「新型コロナウイルス感染症に係る傷病手当金の支給に関するQ&A」が改訂され、新たに7つのQが追加されました。例えば、次のようなものです。

〇被保険者が、業務災害以外の事由で罹患した新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)の療養のため、労務に服することができない場合、傷病手当金は支給されるのか。

⇒傷病手当金の支給対象となりうる。

〇被保険者の検査は実施していないが、同居家族が濃厚接触者となり有症状になった場合等において、医師の判断により当該被保険者が新型コロナウイルス感染症に感染していると診断されたため、当該被保険者が労務に服することができない場合、傷病手当金は支給されるのか。

⇒傷病手当金の支給対象となりうる。

ほかにも、

〇傷病手当金の支給申請にあたり、保健所等が発行する「宿泊・自宅療養証明書」の添付は必要か

〇傷病手当金の支給申請関係書類として「宿泊・自宅療養証明書」が提出された場合に、これを医師の意見書として取り扱ってよいか

〇被保険者が、新型コロナウイルスの治癒後にも、事業主から感染拡大防止を目的として自宅待機を命じられたため労務に服することができない場合、当該期間について、傷病手当金は支給されるのか

〇事業主から自宅待機を命じられていた期間中に新型コロナウイルス感染症に感染した場合、傷病手当金の待期期間の始期はいつか

〇海外で新型コロナウイルス感染症に感染し、医師の意見書を添付できない場合は、何をもって労務不能な期間を判断すればよいか

といった事項について回答が示されています。

 

(事務所便りR4.8月号より抜粋)

敦賀商工会議所 緊急経営相談会のご案内

敦賀商工会議所会員様向け緊急経営相談会が下記の要領で開催されます。

当事務所では雇用・労務に関するご相談を担当させていただきます。

労使間トラブルや、雇用維持、育成に向けた助成金等に関する相談がございましたら

是非、当事務所もしくは敦賀商工会議所中小企業相談所にご連絡ください。

(尚、相談会での対応は敦賀商工会議所会員様に限ります。)

 

日時:7月21日(木)10:00~16:00(1相談につき1時間まで)

会場:敦賀商工会議所 各会議室<オンライン相談も対応>

今月の事務所便りより

2023年、事業場の衛生管理が変わる! 特殊健診の実施頻度の緩和について

◆特殊健康診断の実施頻度を減らすことが可能に

化学物質を原因とする労働災害(がん等の遅発性疾病を除く)は年間450件程度発生しています。これを踏まえ新たな化学物質規制制度が導入されたことを受け、2023年から24年にかけて労働安全衛生規則等の改正が行われます。なかでも実務上の影響が大きいのは、化学物質の作業環境管理・作業管理がきちんとできており、ばく露の程度が低い事業場においては、一部の特殊健康診断の実施頻度を減らすことができるようになることです(2023年4月1日施行)。

◆頻度緩和のための手続き

具体的には、有機溶剤、特定化学物質(特別管理物質等)を除く)、鉛、四アルキル鉛に関する特殊健康診断の実施頻度について、作業環境管理やばく露防止対策等が適切に実施されている場合には、事業者は、当該健康診断の実施頻度を「1年以内ごとに1回」(通常は「6月以内ごとに1回」)に緩和することができます。

健康診断の頻度を緩和することができるのは、以下のすべての要件を満たす労働者です――(1)労働者が作業する単位作業場所における直近3回の作業環境測定結果が第一管理区分に区分される(四アルキル鉛を除く)、(2)直近3回の健康診断において新たな異常所見がない、(3)直近の健康診断実施日からばく露の程度に大きな影響を与えるような作業内容の変更がない。

そして、労働者ごとに、産業医の助言を踏まえて衛生委員会での審議を経ることが必要です(同一の作業場で働いており、作業内容が同じで、同程度のばく露があると考えられる労働者が複数いる場合には、その集団の全員が要件を満たす場合に、実施頻度の見直しを行います)。

◆事業場には「責任ある管理」が求められている

本改正は、事業場に化学物質の責任ある管理を求めるという方針のもと行われるものです。頻度の緩和を行おうとする事業場にあっては、責任を担う産業医や衛生委員会の役割がより重要になることから、その体制整備も含め、対応には早めに着手することが望まれます。

 

(事務所便りR4.7月号より抜粋)

今月の事務所便りより

新入社員が辞める理由は?~連合「入社前後のトラブルに関する調査2022」より

 

◆5月は新入社員の退職が増える時期

5月は、ゴールデンウイーク後に「五月病」と呼ばれるように、気分が晴れない症状が出る人が増え、新入社員の退職などもみられる時期です。

新しい環境に飛び込み、張り詰めた気持ちで過ごしていた新入社員の緊張の糸が切れ、会社に不満を持ち始める時期でもあります。

◆「3年以内に3割離職」の現実

日本労働組合総連合会が実施した「入社前後のトラブルに関する調査2022」(調査期間:2022年2月28日~3月2日、大学卒業後に新卒で正社員として就職した全国の入社2~5年目の男女1,000名の有効サンプルを集計)によれば、新卒入社した会社を「離職した(半年以内)」は7.7%、「離職した(半年を超え、1年以内)」は6.2%、「離職した(1年を超え、2年以内)」は10.4%、「離職した(2年を超え、3年以内)」は5.2%、「離職した(3年を超えてから)」は3.7%となっており、よく言われる「3年以内に3割離職」という状況がここでもみられます。

◆新入社員が辞めた理由は?

本調査で会社を辞めた理由を聞いたところ、「仕事が自分に合わない」(40.1%)が最も高くなっています。次いで、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」(31.0%)、「賃金の条件がよくなかった」(27.4%)と続き、待遇よりも仕事のミスマッチを挙げる人の割合が多い結果となっています。また、新入社員研修や先輩・上司からの指導・アドバイスがなかった人では、『離職した(計)』の割合は41.9%と、指導・アドバイスがあった人(30.9%)と比べて11.0ポイント高くなっており、周囲の支援による差は大きいことがわかります。

苦労して採用した社員の離職は避けたいものです。新入社員を抱える職場では、周囲の配慮も必要になってくるでしょう。

 

(事務所便りR4.6月号より抜粋)

敦賀商工会議所 緊急経営相談会のご案内

敦賀商工会議所会員様向け緊急経営相談会が下記の要領で開催されます。

当事務所では雇用・労務に関するご相談を担当させていただきます。

労使間トラブルや、雇用維持、育成に向けた助成金等に関する相談がございましたら

是非、当事務所もしくは敦賀商工会議所中小企業相談所にご連絡ください。

(尚、相談会での対応は敦賀商工会議所会員様に限ります。)

 

日時:5月12日(木)10:00~16:00(1相談につき1時間まで)

会場:敦賀商工会議所 各会議室<オンライン相談も対応>

 

今月の事務所便りより

不妊治療の保険適用と両立支援 

~改訂された厚労省ツールの活用~

 ◆4月から不妊治療が保険適用に

2022年4月から、一般不妊治療(タイミング法、人工授精)、生殖補助医療(体外受精、顕微授精等)が新たに保険適用されることになりました。

これまでは高額な費用負担等により二の足を踏むケースもあったところ、保険適用により不妊治療に対する社会の理解も高まっていくことが予想されます。

◆厚労省も不妊治療と仕事との両立を支援するツールを改訂

不妊治療を行う社員への両立支援を進める企業も増えています。

厚生労働省も、取組みを広く周知するためのツールとして、「不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル」「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」の改訂と、不妊治療を行う労働者と主治医と企業とをつなぐ「不妊治療連絡カード」の様式見直しを行い、公表しています。

◆企業でも両立支援の取組みを考えるきっかけに

マニュアルは企業向けに、両立支援制度導入手順や導入企業の具体的な事例、制度利用者の声、制度運用のポイントなどを解説しており、ハンドブックは労働者向けに、職場での配慮のポイントを紹介し、周囲に不妊治療を受けている労働者がいる場合の理解を深める内容となっています。連絡カードは、治療を受ける労働者が必要な配慮事項等を企業の人事労務担当者に伝えるためのカードです。

不妊治療に関してはプライバシーに属することですので、本人の意思に反して職場全体に知れ渡ってしまうことがないようプライバシーの保護には十分配慮する必要があり、そういった意味での留意点も大きいところです。企業としてもこれらのツールを参考に、不妊治療と両立支援に関する対応を考えてみてはいかがでしょうか。

(事務所便りR4.5月号より抜粋)

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